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- 2025.12.10
『資金繰り』って何?日々の現金管理をスムーズに行うコツ
資金繰りとは?
「資金繰り」とは、日々の売上や経費の流れを管理し、支払いに間に合うようにお金をやりくりすることです。
美容サロンでは、家賃・材料費・人件費など、毎月必ず支払わなければならない経費(固定費)があるため、
資金繰りをうまく行わないと「忙しいのに、お金が足りない!」という事態になりがち。
日々の現金管理をしっかり行い、経営を安定させるためにも、資金繰りを理解しましょう。
資金繰りを理解するメリット
資金繰りを理解することで、売上がいつ入金され、どのタイミングで出費が発生するかを把握できます。
余裕資金を確保しておくことで、設備の故障や予想外の支払いにも落ち着いて対処できます。
さらに、 スタッフの増員や新メニュー導入など、先行投資が必要なタイミングで「今なら大丈夫」と判断できるようになります。
ぜひ最後までお読みください。
美容室経営における資金繰りの基本
固定費の把握
まずは、毎月必ず支払うお金=「固定費」を明確にしましょう。
たとえば、以下のような項目があります。
・家賃
・光熱費(電気・ガス・水道)
・人件費(スタッフの給料、社会保険料など)
・保険料(火災保険や各種保険)
これらは毎月ほぼ一定額発生するため、最優先で支払うべき項目です。
さらに、カラー剤やシャンプーなどの材料費のように、月によって変動する費用もざっくり予測し、支出の全体像をつかんでおきましょう。
売上の見通し
美容サロンの場合、曜日や季節によって売上が変わります。
たとえば、土日祝日は予約が取りづらいほど混む一方、平日は比較的空いていることが多いですよね。
また、春(卒業・入学シーズン)や秋(結婚式シーズン)など、繁忙期と閑散期の差がはっきりしているサロンも少なくありません。
繁忙期・閑散期の売上を大まかに予想し、それに合わせて支出を調整することが資金繰りのポイントです。
キャッシュフローの可視化
「いつ、いくら入金があるか」「いつ、いくら支払わなければならないか」をエクセルや会計ソフトなどで一覧にしてみましょう。
1か月単位だけでなく、半年単位で見渡せるようにしておくと、先々の資金状況が把握しやすくなります。
日々の現金管理をスムーズにするコツ
資金繰り表を作成する
「今月の売上見込み」と「今月の支出予定」を時系列で並べた資金繰り表を作り、日々確認しましょう。
1日単位で入出金をチェックし、実際の数字と予想がずれていれば、早めに対策を立てます。
ずれが大きくなるほど修正が難しくなるため、「こまめな確認」が大切です。

小口管理の徹底
文具代やスタッフが立て替えた飲料費など、小さな出費はつい記録を忘れがちです。
しかし、こうした細かいお金の流れを放置していると、後で「レジ金が合わない」という事態になりかねません。
レジのお金の残高は毎日締め作業で確認する。
スタッフの立て替えは領収書やレシートを必ず集め、週や月末に精算する。
これらを習慣化しておくことで、資金繰りのズレを最小限に抑えられます。
資金の“予備”を持つ
設備の故障やスタッフの退職金、急なキャンセルによる売上減など、経営をしていると想定外の出費が起こることもあります。
“緊急用資金”として、毎月少しずつ貯金する
銀行の融資やリース契約の選択肢を事前に調べておくと、いざというときに慌てずに対処できます。
経営者が知っておくべきチェックポイント
「売掛金」と「買掛金」のバランス
売掛金:お客様からの未収金。
たとえば、後払い制を導入している場合や企業と契約している場合などに発生します。
買掛金:仕入れ先(材料業者など)への未払い金。
支払いサイト(支払期限)が30日や60日になっていることが多いです。
「いつ入金があるのか」「いつ支払いをしなければならないのか」をカレンダーに書き込むなど、タイミングをきちんと把握しておくことが重要です。
月末・月初のタイミング
家賃やクレジットカードの決済など、出費が集中しやすいタイミングがあります。
月末や月初に支払いが集中している場合、事前に資金を確保しておかないと残高不足になる可能性も。
クレジットカードの引き落とし日や業者への支払日を把握するだけでも資金ショートを防ぐことができます。
在庫の適正管理
シャンプーやカラー剤、アイラッシュ、カラージェルなど、消耗品の在庫管理が欠かせません。
在庫を過剰に抱えすぎると、お金がモノの形で寝てしまい、キャッシュフローが悪化します。
一方で在庫が少なすぎると、施術時に材料が足りなくなり機会損失につながる恐れも。
過去の売上データや季節要因を踏まえ、適正な仕入れ量をキープすることがポイントです。
資金繰りがうまくいかないときの対処法
経費の見直し
まずは固定費と変動費に分けて見直しましょう。
固定費:家賃交渉、光熱費プランの見直し、保険内容の再検討など。
変動費:材料費の仕入れ先の見直し、広告費やSNS活用でのコスト削減など。
少額の積み重ねでも、長期的には大きなコスト削減につながる可能性があります。
支払い条件の交渉
材料仕入れ業者との取引条件(支払いサイト)を見直したり、家賃の支払い日を調整してもらえないか交渉したりする方法もあります。
取引実績が長い業者ほど、相談に乗ってくれるケースも多いです。
「すぐに無理」とあきらめず、状況をしっかり伝えて交渉してみましょう。
追加の資金調達を検討
銀行融資:実績や事業計画がしっかりしていれば、低金利で借り入れ可能な場合があります。
ビジネスローン:銀行融資より金利は高い傾向ですが、スピード重視の場合に選択肢となります。
リースやクレジット:設備投資をする際、一括払いが厳しいときに利用可能。
補助金・助成金:行政が行っている制度を活用できる場合もあるため、情報を常にアップデートしましょう。
具体的な事例:シミュレーション
繁忙期の仕入れ増
想定シチュエーション:卒業式や入学式、結婚式が多い季節に、施術の需要が一時的に増える。
対策:前月から資金をプールし、タイミングよく材料を仕入れる。
仕入れ時期を分散させ、在庫を抱えすぎないようにする。
閑散期の売上減
想定シチュエーション:長期休暇シーズンや猛暑・寒波で外出を控えるお客様が増え、客足が減少。
対策:SNSやLINEを活用したキャンペーンで集客を図る、広告費を見直す、
スタッフシフトを調整して人件費を抑える。
設備トラブルで突然の出費
想定シチュエーション:シャンプー台やエアコンが故障し、修理・交換費用が発生。
対策:普段から“緊急用資金”を確保しておく。
リース契約を利用して、設備投資の初期費用を抑える。
まとめ:資金繰りは美容室経営の基盤
日々の売上と支出をタイムリーに把握し、支払いに間に合うように管理することが何よりも重要です。
家賃や光熱費などの固定費だけでなく、仕入れ先や広告費などの変動費も定期的にチェックしましょう。
日々の現金管理を仕組み化する
資金繰り表や会計ソフトの活用、小口管理の徹底などを習慣化することで、キャッシュフローを安定させられます。
計画的な資金調達でリスクヘッジ
融資や補助金などの情報を常にアップデートし、いざというときに備えた“選択肢”を持っておきましょう。
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