2025.11.18

【特集】目指すは250店舗展開! M&Aで拡大スピードと投資効率を両立させる

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成功事例

 

国内外での店舗拡大を見据え、M&Aを戦略的に活用する株式会社WELLM代表・髙田悠輔さん。15坪程度のコンパクトな店舗と再現性の高いビジネスモデルを武器に、スピード出店と投資効率を両立させています。その成長戦略について、髙田さんにお話を聞きました。

プロフィール
株式会社WELLM 代表取締役
髙田 悠輔様

都内複数店舗を経て独立。2024年1月にWELLM表参道をオープンさせる。頭皮および毛髪理論の研究と実践を行う予防医学コンサルタントとして、美容と医療を繋ぐ活動を行う。EXOCURE月島メディカルクリニックのエージェントとして、エクソソームの研究や普及にも取り組む。日本各地の美容室において毛髪理論の講師としても活躍。

「髪と頭皮のウェルビーイング」を軸にした多角的事業展開

――髙田さんの会社の事業内容を教えてください。

「髪と頭皮のウェルビーイング」を軸に、サロン運営・プロダクト開発・学びの場づくり・経営支援を一体で進めています。

WELLMでは代表兼美容師として表参道店に立ち、毛髪診断士の視点で育毛・発毛を見据えた頭皮改善を実践しています。現場の声を即プロダクトに反映し、シャンプー等の設計・改良を主導するという具合に、現場で磨いた体験を基準に、再現性の高い小規模フォーマットで水平展開する方針です。直近では、山梨、大阪、福岡、タイ、フィリピン、サウジアラビア、ケニアでの出店計画があります。

現在、複数の事業を経営しており、そのうちの一つ「Re脳」では、AIを活用し、美容室の定型業務(予約・受付、SNS運用、問い合わせ/クレーム一次対応、人事・勤怠事務など)を担う“AI社員の仕組みを構築し提供。運用後も現場の要望を吸い上げ、継続的にチューニングしているところです。

肌で感じていたコロナ後の市場環境の変化

――M&Aに取り組むことになったきっかけは?

コロナ以降、借入の返済が難しくなって店を手放すオーナーが急増し、MAの案件が増えていることを肌で感じていました。しかも、MAなら新規出店よりもスピード感を持って立ち上げられますし、立地や設備の整った居抜きを活かせる点も魅力でしたね。

僕たちのビジネスは、コンパクトな店舗との相性が良く、人件費や家賃を抑えながら高い再現性でサービスを展開できます。既存のスタッフやお客さまがいる状態で僕たちの特化メニューを導入すれば、立ち上がりも早いだろうと考えました。スピードと投資効率を考慮しての決断です。

決め手は立地と広さ、ビジネスモデルとの相性

――M&A対象となるサロンの選定で、特に重視しているポイントは?
まず立地を重視します。駅近や人通りの多いエリアといった集客性はもちろん、僕らのビジネスモデルに合うコンパクトな坪数であることも重要です。

次に物件の状態や設備の整い具合。居抜きで機材がそろっている店舗は、スピード感を持って立ち上げられますし、初期投資を抑えられます。

さらにスタッフの質と継続意向も欠かせない要素です。既存のスタッフが残ってくれることで、お客様との関係性や店舗運営の安定性が保たれます。しっかりと教育すれば、短期間で付加価値を生み出せるというわけです。

――実際のM&A交渉で苦労した点、印象に残っているエピソードを教えてください。

M&A交渉で一番苦労したのは、前オーナーとのやり取りです。多くの売り手オーナーさんは資金繰りが厳しくなって店舗を手放すため、条件面の調整が必要になります。僕の場合は、前のオーナーさんから備品の扱いや価格設定、振込時期などについて前倒しの要望をいただいたんです。そのあたりを資金面の配慮をしながら交渉し、着地点を探りました。

また、スタッフの引き継ぎも課題でしたが、買収後に労働条件が少しでもよくなれば残ってくれます。買収前の店舗でどんな条件で働いていたのかしっかりヒアリングした上で、新しい労働条件を話し合うことが大事ですね。

尊敬する経営者の紹介でBGパートナーズを知る

――M&Aのパートナーとして、BGパートナーズを選んだ理由を教えてください。

埼玉でアイラッシュなどを中心に、200店舗ほど展開している経営者の先輩から紹介していただきました。その先輩の講習会を受けたことがきっかけで、個人的に親しくさせてもらっていたんです。だから話は早かったですね。

BGパートナーズの担当の久下(くげ)さんは、とても頼りがいがあり、僕のやりたいことや事業内容をきちんと理解してくれたうえで、オーナーとの交渉を担ってくれました。僕は前のオーナーさんやスタッフさんなど、人と人との関係性を大事にしています。そのあたりも踏まえて橋渡しをしてくれたのは本当に助かりましたね。

また、美容サロンの居抜き物件は表に出てこない情報が多く、人づての繋がりで流れてしまうことも多いので、その点でもBGパートナーズのネットワークと対応力は心強かったです。

初めてのM&Aでわからないことだらけでしたが、久下さんは「これはできます」「これはできません」とはっきりと教えてくれ、要望もきちんと受け止めたうえで対応してくれました。真摯な姿勢とスピード感のあるやり取りでしたので、BGパートナーズを選んで本当に良かったと感じましたね。

買収後の運営体制と想定外の課題

――買収後の店舗の運営は順調ですか?

引き継いだ当初から運営体制を整え、今では順調に回っています。もちろん細かい改善は随時行っていて、例えば設備の不具合があればオーナーやディーラーに相談しながら対応しています。そういったやり取りは時々ありますが、大きな支障にはなっていません。

想定外だったのは、ネット環境や契約関係の引き継ぎですね。前オーナーが使っていたプロバイダーが特殊なところで、解約や変更にかなり手間がかかりました。Wi-Fiのパスワードや各種契約情報など、細かな引き継ぎ作業は意外と時間を取られます。ただ、そういったものは最初の段階だけで、ひと通り整理すれば通常の店舗運営と変わらないです。

――店舗展開を進めるにあたりM&Aを活用するメリットはどこにありますか?

繰り返しになりますが、M&Aならスタッフや機材がそろった状態で引き継げるので、スピード感を持って出店できるのが大きなメリットです。今の時代、新規採用から教育まで全て自前で行うのは難しく、初期投資や条件次第では、M&Aのほうが合理的な場合も多いと感じています。

特に僕らの場合は、大型店舗よりもコンパクトな箱がビジネスモデルに合っていて、買収にかかる費用も比較的抑えられるケースがあります。僕らのビジネスモデルの場合は機械を導入すれば一人でも回せるため、無駄な人員を抱える必要がありません。機械を活用することで再現性が高まり、人によるばらつきを減らせます。さらに、AIの導入で雑務を減らし、オペレーションを安定させる構想も進めています。

コロナ禍で借入負担が大きくなり、店舗を手放すオーナーがこれから増えてくるかもしれません。設備が新しい状態で売りに出されるケースも多いですし、今だからこそ価格交渉をしやすいのかなと考えています。

――今後の事業展望について聞かせてください。

コンパクトな店舗と、機械を活用した再現性の高いビジネスモデルを軸に、国内出店を進めながら海外展開にも力を入れていくつもりです。すでに海外での動きは始まっていて、最終的には250店舗規模を目指しています。AIや自動化の仕組みも活用し、人によるばらつきを減らしながら、接客やサービス品質では人ならではの価値を発揮できるような体制を整えていきます。こうすることで、安定したサービス提供と持続的な成長の両立を実現したいですね。

信頼できる仲間と組めばM&Aは怖くない

――最後にM&Aを検討中の方にアドバイスをお願いします。

一番伝えたいのは「信頼できる人と組むこと」です。売りに出ている会社は何らかの課題を抱えているケースが多いですし、その点に不安を感じる方も多いと思います。でも、信頼できる仲介パートナーや関係者と組めば、その怖さをぐっと減らせます。仲介を使わず、直接オーナー同士だけでやり取りすると、話のニュアンスや前提条件が食い違うことがあり、後になって「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。間に入って調整・交通整理してくれる人がいることは、精神的にも実務的にも大きな安心材料です。

また、物件選びでは立地や家賃だけでなく、現場でしか分からない部分も必ずチェックしてください。たとえば、店内の臭い、日当たりや季節による温度変化、エアコンをかけても暑い・寒いなどの環境面、下階からの臭いの上がり込み、夜間の電気や水道の不具合などです。これらは契約後に改善しづらく、事業の根幹に影響するため、見学時に徹底的に確認しておくべきです。

そして最後に、質問をたくさん用意しておくこと。気になる点はすべて仲介に相談して、事前に答えを引き出しておくことが大事です。M&Aはギャンブルのように見えるかもしれませんが、準備と信頼関係次第で、リスクは大きく減らせます。しっかりと下調べし、信頼できるパートナーと進めれば、必ず成功への道は開けます。

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