2025.06.10

まずはここから!固変分解で利益体質へ

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M&A豆知識

固定費と変動費を仕分けして経費を見直そう
美容サロンの経営では「固定費と変動費をきちんと分けること(固変分解)」がとても大切です。
この記事では、正しい固変分解を行って経費を見直し、
さらに損益分岐点売上(黒字と赤字と分岐点)を算出して
「具体的な売上目標」を設定できるようになるまでの流れをわかりやすく解説します。

とにかく売上さえあればいいというのは誤解
日々の売上ばかりを追っていると、
「実際にどれくらい利益が残っているのか」が見えにくくなりがちです。
固定費と変動費を分けることで、サロン運営にかかるコスト構造が明確になります。
損益分岐点売上を把握すれば、最低限どれだけの売上が必要なのかを数値で把握できるため、
無理のない経営計画を立てられるというわけです。
そもそも固定費と変動費とは?
固定費(例)
毎月必ず支払う費用:家賃、リース料、スタッフの基本給、光熱費の基本料金など
美容サロンの場合:店舗の賃料や設備リース、スタッフの固定給与が該当しやすい
特徴:売上に関わらず「固定的」に発生するコスト

変動費(例)
売上に応じて増減する費用:薬剤費や売上に連動する歩合給が該当
特徴:売上が増えれば増えるほど、比例して増えるコスト

なぜ分ける必要があるのか?
固定費は、サロンを開けているだけで毎月必ず発生するコストです。
これを明確にすると、経営の「土台となるコスト」を把握できます。
変動費は売上に連動するため、
材料の仕入れやスタッフの人件費をコントロールしやすくなります。
固変分解をすることで、どの部分が削減可能なのか、
どの部分はどうしても必要なのかが見えてくるのです。

固変分解の手順とポイント

リストアップ
まずは、過去3〜6か月分の経費をすべて洗い出します。
美容サロンの支出を一つひとつリスト化し、
「これは固定費?変動費?」と振り分けてみましょう。
たとえば、家賃と人件費は固定費、カラー剤は変動費、などのように整理します。

迷ったら?
「売上がゼロでもかかるか?」「売上が増えると比例して増えるか?」
この2つの視点で考えると、どちらに分類すればいいのかが判断しやすくなります。

ざっくりでもOK
固変分解は厳密にやろうとすると、
たとえば「光熱費の一部は固定費、一部は変動費では?」など、
複雑になる場合もあります。
しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。
大まかに分けるだけでも、経営の見え方が大きく変わります。

損益分岐点売上の算出方法

基本の計算式
損益分岐点売上 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高

具体例
固定費:90万円/月
変動費:10万円/月(売上に比例すると仮定)
売上:100万円/月 と仮定した場合

変動費率 = 10万円 ÷ 100万円 = 0.1(10%)
損益分岐点売上 = 90万円 ÷ (1 − 0.1) = 90万円 ÷ 0.9 =100万円
この例では、売上が100万円を超えると、利益がプラスになることがわかります。

損益分岐点売上を把握することはなぜ重要か
どのくらい売らないと利益が出ないのかが明確になるため、目標設定がしやすくなります。
何にいくらコストがかかっているかを改めて見直すきっかけになり、
無駄なコスト削減や施術単価の設定を再検討できるようになります。

損益分岐点を踏まえた目標管理
売上目標の立て方
損益分岐点売上を「最低限クリアしなければならないライン」として設定しましょう。
そこにプラスアルファの利益を見込むことで、
設備投資やスタッフ教育費、広告費などに回せる資金を生み出せます。

スタッフへの共有
経営者だけが損益分岐点売上を把握していても、
スタッフが目標を意識できていないと全体の売上アップにはつながりにくいです。
スタッフにも「今月の目標は◯◯万円」と具体的な数字を伝え、
全員で意識を共有することで、チームワークとモチベーションの向上が期待できます。

数値の見える化
毎月の売上やコストをグラフや表にして「見える化」する
「今月は損益分岐点に対してどのくらい足りているのか」を常に確認する
このような習慣をつけると、経営状態の把握がスムーズになり、
早めに対策を打てるようになります。
固変分解を活かしたコスト削減・利益改善のアイデア
固定費の見直し
・賃料交渉、リース契約の条件変更、不要なサブスクの解約など
※固定費は一度下げると、その効果が毎月継続するため、損益分岐点が大幅に下がります。

変動費の見直し
・材料費の仕入れ先や仕入れロットを工夫して単価を下げる
・薬剤ロスを減らすために在庫管理を徹底する
・売上に連動する歩合給の設定を見直し、サロンの利益とスタッフのモチベーションを両立させる

売上アップとのバランス
単に費用を削減するだけでは、
サービスの質が下がったりスタッフの負担が増えたりする恐れもあります。
客単価アップやリピート率向上、来店回数増加策など、
売上アップの施策と合わせて考えることで、バランスの取れた経営が可能になります。
「まずは大まかにでも良いので分解してみる」ことが大切です。
経費の仕訳や損益分岐点の計算に慣れていない場合は、
税理士や経営コンサルタントに相談してもよいでしょう。
少しの手間をかけるだけで、サロン経営の全体像がぐっとクリアになります。
ぜひこの機会に、固変分解を実践してみてはいかがでしょうか。

BGパートナーズでは出店・経営・退店などサロン経営に関する幅広いサポートが可能です!お気軽にお問い合わせくださいませ。

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