2023.12.02

美容サロンM&Aの成功のカギを握る “PMI” に関する解説

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解説記事

M&Aのゴールは「承継を完了させる」ことではなく、売り手と買い手がM&Aの検討段階から見据えてきた「M&Aの目的」を実現させることにあります。

M&Aの実行日までお互いに異なる企業文化の中で事業を行っていた従業員の考え方や各種手続きが、一朝一夕で買い手企業のルールや文化に統合することは現実的ではありません。
但し、同じ企業の一員・一事業として同じ方向性を持って進むことは企業の成長にとって必要不可欠なことでもあります。

この記事では、事業承継実行後に必要なプロセス “PMI” に関してわかりやすく解説いたします。

 

PMIとは

PMIとは、”Post Merger Integration” の頭文字を取った略称で、M&Aによる事業承継後の「経営統合プロセス」のことを指します。

PMIの目的としては「M&Aによって生じるリスクの最小化」と「M&Aによって生まれるメリットの最大化」といえます。
このPMIをないがしろにしたことにより、譲り受けた事業が期待通りの業績を生めないケースや、想定していた事業シナジーがミスコミュニケーションにより生まれないなどのケースは枚挙にいとまがありません。

特に美容サロン事業におけるM&Aは技術者の受け入れが前提となるケースが大半であり、その商品力・集客力、すなわち売上と利益は技術者のモチベーションに大きく左右される事業がゆえ、慎重かつ着実に実行する必要があります。

 

美容サロン事業におけるPMIのポイント

以下は、美容サロン事業を営む企業が買い手として「小規模美容サロン事業」を譲受したという前提として、実務的に重要なポイントの一部をピックアップして解説しております。
より深い部分でのPMI解説に関しましては、サロンM&Aネット事務局までお気軽にご相談ください。

1.経営統合
小規模サロンの場合、旧経営体制時のルールでは全てのマネジメントと意思決定はオーナーに委ねられる組織体制が大半の中、新経営体制ではどのような組織体制でどのような意思決定プロセスとするかを早々に通知する必要があります。
美容サロンの現場はM&Aの実行前後を問わず日々の営業を行っています。その中で現場従業員は様々な意思決定を必要としており、例えば仕入れや時期に合わせたクーポン発行など、出費やプライシングに係る判断を日々求められます。
それゆえ、この意思決定に関するレポートラインや意思決定者が曖昧な場合、現場における日々の業務に遅延や支障が生じるため、従業員の不安や不満が高まりやすくモチベーションの低下や離職に繋がりやすい傾向にあります。

2.業務統合
美容サロン事業を営む企業が買い手の場合、会計ルールや購買システム、POSなどのシステムを買い手側のサロンと同じ仕組みに統一するケースや、仕入れ先や施術に使用する材料等を買い手側のサロンと統一することでOEM品の活用による収益性改善を図る計画が立てられているケースが多く見られます。
これらにより現場従業員は従来の業務フローと異なる作業が必要になる場合や、POSをはじめとしたシステムを新たに習熟する必要があり、少なくとも導入当初は「現場従業員の負荷が増える」という認識は持って接する必要があります。
よって、業務統合に伴って発生するストレスを最小限にするためにもコーチ役を立てる、またその人選にはコミュニケーション力を重要視するなどの工夫が必要になります。

3.意識統合
経営統合にも含まれる「企業理念」や「社員心得」の統合ですが、これらはその組織にとって進むべき道を示す羅針盤であり、全ての行動の判断基準とも言えます。よって、意識統合の入り口は「企業理念」や「社員心得」の浸透に向けた対策です。
特に譲受側企業が、既存の従業員に対して企業理念や社員心得の浸透をしっかりと行ってきた場合、新たに加わった従業員との仕事に対する価値観や熱量に乖離が生じることで「仲間意識が希薄」になりやすいものです。
ゆくゆくはこれらを土台とした企業風土や文化に慣らせる必要がありますが、当然に時間が掛かるものでもあります。
この意識統合は時間が掛かるものだと理解したうえで、計画的に進める必要があります。交流や会話の場を増やしたり、社内セミナーなどを通じて「仲間意識の醸成」と合わせて進めて行きましょう。

 

美容サロン事業におけるPMIの注意点

PMIは事業規模や組織の規模にもよりますが、全ての完了までには1年程度の時間が必要になるという前提を持ったうえで、計画性と期限設定が重要となります。

繰り返しとなりますが、美容サロン運営事業の売上と利益は技術者のモチベーションに大きく左右される事業です。
甘やかす・我儘を受け入れるという意味合いではなく、突如として新たな環境に置かれることになった従業員たちの心境を推し量りながら、同じ企業の一員として気持ちよく迎え入れたいという姿勢が伝わるようにPMIを進めることがM&Aの効果を最大化するためには必要です。

そのためには「PMIを進めるチームの人選」「重要度と難易度をもとに優先順位を付けた計画」「変更項目の期限設定と従業員への事前通知」が重要であり、これらをないがしろにしてしまうと組織崩壊によるM&Aの失敗につながる可能性が高まってしまうことを理解する必要があります。

サロンM&Aネットのフルサポートプランでは、これらPMIの進め方に関しても専任コンサルタントによる助言をいたします。
セルフプランをご利用の際もお電話やメールにてサポートいたしますので、サロンM&Aネット事務局までお気軽にご相談ください。

 

さいごに

サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。

M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。

私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。

M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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