2023.08.17

M&A後に起こりがちな “モノ” のトラブルに関する解説

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解説記事

美容サロンのM&Aが完了した後にサロンを訪れたら「事前訪問時にあったはずの什器が無い!」というトラブルは起こりがちです。

買い手としては不足した什器を購入することで出店費用が計画を超えてしまう事態は避けたいものですし、売り手としても「その什器は譲渡対象外と伝えたはずなのにクレームを頂いても困る」という状況になりかねません。

この記事では、美容サロンM&A後に起こりがちな “モノ” に関連したトラブルと、それを未然に防ぐための手段に関してわかりやすく解説いたします。

なお、この記事は事業譲渡スキームを前提とした概要説明に留めております点をご留意ください。

 

トラブルの原因となる”モノ”とは

美容サロンM&Aにおいて “株式譲渡スキーム” を選択する場合、譲渡対象会社に紐づく資産の一切は新オーナーへと引き継がれることになります。
それに対して、美容サロンM&Aで多く選択される “事業譲渡スキーム” の場合や “居抜きによる資産譲渡” の場合は譲渡する対象資産、すなわち “モノ” に関して協議のうえで決定する場合が多くを占めます。
そしてこの “モノ” に関する部分が、本記事で採り上げるトラブル要因となります。

ここでよくある事例として、譲渡対象サロンに訪問した際に確認されていた店舗什器や備品が、譲渡後に確認した際に無くなっているというトラブルです。
・訪問時にセット面と同数のワゴンがあったが、台数が減っており追加購入が必要になった。
・ドライヤーやバリカン、エステ用機材などの施術用具や大型什器が無くなっていた。
・バックヤードに置いてあったプリンターが無くなっており追加購入する必要が発生した。
・ウェイティングスペースにあった高額な椅子や調度品が無くなっていた。
など、買い手側として出店時の初期費用が抑えられると思っていたが、譲渡後に物品が無くなっていたというケースです。

 

譲渡対象物の”譲渡資産目録”を作成することの重要性

このトラブルの特徴として「売り手が “譲渡対象物を恣意的に持ち出した” とは限らない」という点があります。

サロン内に置かれている様々な什器備品は、売り手企業の所有権ではないものも含まれています。
・レンタル/リース品
・販売委託を受けている店販商品
・従業員やオーナーの私物
といったものが該当し、売り手に所有権がないものはM&Aや居抜き時の譲渡対象物とすることが出来ません。

前述したレンタル/リース品である可能性が高い代表的なものとしては、エステ・脱毛関連の高額な機材をはじめウォーターサーバーやプリンターおよび通信系の機材などが挙げられます。
またワゴンや施術用具などは “技術者の使い慣れた私物” であるケースも多く、調度品や特別な家具は “オーナーのこだわりがある私物” であるケースが認められます。

このようにサロン内には譲渡対象事業を運営する会社に所有権が紐づく資産と、オーナーや従業員の私物が混在しているケースが事業柄大半を占めるため、それらを明確に区分するための資料として”譲渡資産目録”を作成し、売り手と買い手の双方が譲渡対象物を確認し合う必要があります。
これが無いと「言った・言わない」のトラブルに発展するリスクが高まるのは想像に難くないでしょう。

なお、資産譲渡目録はExcelなどで作成できるため売り手が作成し、買い手と共に実際の資産をサロン訪問時に確認。目録に記載されていないものがある場合は追加するという作業が一般的です。
“資産名” “個数” “場所” を明記の上、最終的には「最終契約書の別紙」として契約書類の一部とします。

 

譲渡対象物は”情報資産”も含めて目録に記載する

美容サロンの事業承継において引き継ぐ対象はサロンの資産と従業員だけではありません。
特に事業譲渡の場合、本部機能を引き継がないケースが多いために本部側で管理している情報資産の引き継ぎに関して漏れが生じやすい傾向があります。
そのため、ホームページ・メールアドレス(ドメイン)・SNSアカウント・画像データ・ロゴデータなどの情報資産も引き継ぎ対象資産として確実に確認する必要があります。※左記の例示に限りません

留意すべき点として広告媒体(集客サイト)の過去事例として「サロン名が継続する場合は契約の引継ぎ可能だが、サロン名を継続しない場合は契約の引継ぎはできない。」といったケースが確認されております。
また居抜き等の造作資産のみを譲渡する場合において、顧客情報(カルテ等)を引き継いでしまうと個人情報の漏洩とみなされ大きなトラブルとなりますので留意する必要があります。

資産譲渡目録に記載していても実態として引き継げなくなる情報や契約もあるため、確認のためのリストアップとしては一旦記載するべきですが、特に第三者の判断に委ねられるものは最終契約前に事前確認や相談を行うようにしましょう。

サロンM&Aネットのフルサポートプランをご利用の場合は専任コンサルタントがこれらトラブルの防止に向けて支援をしておりますが、セルフプランをご利用の場合もご不安な点がある場合は事務局までお気軽にご相談ください。

 

さいごに

サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。

M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。

私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。

M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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