2023.06.30

サロン名を引き継ぐならば要注意! “商標” に関する解説

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M&A豆知識

美容サロン事業を始める際には、当然ながら「サロン名」を考えることになります。
創業オーナーの思い入れのある言葉を付したサロン名や、目指すサロンのイメージをサロン名に反映させたりと、そのサロン名に対する思い入れはとても大きなものでしょう。

しかしこのサロン名が、場合によっては「他者の知的財産権を侵している」との指摘を受け、係争事案となる可能性を含んでおります。

この記事では、美容サロンの事業承継時はもとより、事業承継を検討していないサロンオーナーにとっても理解が必要な “商標” に関してわかりやすく解説いたします。

なお、この記事は事業譲渡スキームを前提とした概要説明に留めております点をご留意ください。

 

商標・商標権とは

商標とは、事業者が取り扱う商品・サービスを他社と区別するために使用するマーク(識別標識)のことを示します。
美容サロン事業において表すと、サロン名や独自で開発した技術やサービスに対して命名したネーミングなどがこれにあたります。

一般的に美容サロン利用者は、店舗選びをする際にサロン名やロゴマーク、特定の施術(メニュー)のネーミングである「商標」を一つの目印として利用店舗を選んでいます。
そして、その商標に対する評判や口コミ、利用時の満足感という営業努力によってブランドイメージがついていき、利用者がサロン選びをする際の一つの基準となっていきます。

ご自身が長年に渡って努力し、世間一般でも認知をされるブランドまで育ててきたサロン名(=商標)があるとした場合、突然見ず知らずの誰かが同様のサロン名で開業して、ご自身の店舗と勘違いしたお客様が利用しているとしたらどうでしょう。

このように「商標」とは、そのサロンにとって営業上において大変重要な価値を生む財産であり、その財産を他者に使用されることから守るのが「商標権」という知的財産権です。

そしてこの「商標権」の真性の取得者となるためには商標登録を受ける必要があり、特許庁に出願をすることが必要です。

 

実際に起こりうるトラブル

ご自身のサロンが「商標登録」を受けていない商標(サロン名ほか)を使用している場合に、当該サロンよりも先に他社が同じような商標の登録を受けていれば、その他社の商標権の侵害にあたる可能性があります。

その場合において起こりうるトラブルとして過去事例から以下が代表的です。
①サロン名の変更を求められる
②サロン名の変更を行わない場合は商標使用料を求められる
③過去の売上に対しても商標使用料や損害賠償を求められる

これは事業承継後に新たなオーナーに変わった場合でも、譲受したサロン名を継続利用した場合は①②に関しては請求に従う必要がありますし、③に関しても事業承継後から現在までの期間に対する賠償責任が発生する可能性が多大にあります。
また事業を譲渡した前オーナーにおいても③の損害賠償請求が行われる可能性が多大にあります。

 

売り手も買い手も要注意

この「商標権」を取得するためは、特許庁へ商標を出願して「商標登録」を受けることが必要であり、該当の「商標」をご自身のサロンが相手方よりも先に使用していた場合においても、その商標が、自社の商品やサービスを表すものとして既に公知されているといった確証がなければ、商標権の侵害と判断される可能性があるため注意が必要です。

商標権の取得に関する詳細はこの記事では割愛しますが、ご自身で出願を行う場合は特許庁のホームページを参考にご確認ください。
実際の出願業務においては「既に類似の商標がないか」を調査する必要があり、ご自身で調査を行うのは容易ではありません。
一般的には代理人に依頼して商標登録を進めることが多く、代理人として商標登録を代行するには「弁理士」もしくは「弁護士」の資格が必要となりますので、それらの士業が所属する事務所などに相談することをお勧めします。

これらをおさらいすると、現在サロンの売却を検討しているか否かを問わず、創業時点でサロン名を検討するタイミングで既に商標登録がなされていないかを確認することが将来的なリスクを排除することに繋がります。
また事業承継をする買い手の場合、商標登録がされていない場合にサロン名は引き継がずに新たなサロン名を使用することが根本解決に繋がります。但し、その場合には商標登録に伴うコスト、看板の改修やパンフレットなどの作成に伴うコストが追加で発生することを念頭に置いておくことが必要となります。

参考:特許庁のサイト

 

さいごに

サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。

M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。

私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。

M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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