2023.05.15

事業譲渡スキームのメリットに関する解説(売り手視点)

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M&A豆知識

M&Aの譲渡スキームは大きく「株式譲渡」と「事業譲渡」に大別されます。

当サイトでは、小規模事業者における美容サロン事業時は「手続き上の簡便さ」や「理解のしやすさ」をもとに事業譲渡スキームを推奨しておりますが、今回は別の視点から紐解いて参ります。

この記事では、事業譲渡スキームのメリットに関して、売り手視点をもとにわかりやすく解説いたします。
※記事の前提として、初めての事業承継をご検討中の小規模法人を対象とした解説となっております。

 なお、サロンM&Aネットでは「株式譲渡スキーム」での売却をご検討中のオーナー様にも専任コンサルタントが安心のサポートを行なっておりますので、詳しくは事務局までお気軽にお問い合わせください。

メリット1.会社(法人)を残せる

元々は個人事業主として開業し、売上の身長にあわせて法人成りしたオーナー様は多くいらっしゃいます。
小規模法人として事業展開されている場合において、事業だけを譲渡し、会社自体は残すことで得られるメリットが存在します。

美容サロン事業を売却する理由は様々ですが、
①法人として美容サロン以外の別事業を行っており、その別事業に時間と資金を集中させたい。
②美容サロン事業の売却後も別事業を継続もしくは新たに興すことを考えている。
上記に当てはまる場合は、会社自体を残すことができる事業譲渡スキームの選択をご検討いただくことをお勧めしております。

法人における事業譲渡スキームの場合、譲渡対価は法人に対して支払われます。
①を理由として事業の売却を検討する場合、別事業にオーナー様ご自身や従業員の労力や資金を集中させて、その別事業を今後育てていきたいという売却目的となります。
そこで、美容サロン事業を売却した際の譲渡対価(テナントの保証金返還も含め)を活用して、より成長性が見込まれる別事業への投資に資金を回すことができるようになります。

②をご検討中の場合、会社自体を譲渡する株式譲渡スキームでは都合が悪い点があります。
まず、小規模法人の一般的な株式譲渡スキームは「株式を譲渡することで会社自体の経営権を買い手に承継する」こととなります。よって、同法人において既に行なっている事業も併せて承継することになるため、別事業の継続をするのは買い手側となります。(※)
また、譲渡対価をもとに新たに事業を興すこと考えている場合も、株式譲渡スキームの場合では法人ごと譲渡するため、その法人口座および預金も譲渡対象になります。そして新たに新事業の経営を目的とした法人を作ることになるため事業の継続年数も0から始まることになり、新たな取引先との新規取引契約時や金融機関からの借入時に、既存法人と比較して与信上でマイナスに影響する場合があります。
事業譲渡スキームの場合は法人の継続年数はリセットされず、法人口座も預金も保持されるため、新たなビジネスを行う上でも会社自体は残すことがメリットとなります。

※株式譲渡スキームの場合でも「新設分割」という手段があります。詳しくは事務局までお問い合わせください。

 

メリット2.事業の売却までの期間を短縮しやすい

株式譲渡スキームの場合、買い手は売り手(オーナー)の株式を買い取ることによって、その会社の経営権を獲得します。

この場合は、事業譲渡スキームのように「その事業だけを切り出して譲受する」のではなく会社そのものを引き継ぐことになるため、その会社の「債権・債務」はもとより、「過去に起きた事件・事故・係争・そ風評(以下「過去のトラブル」と記載)」なども引き継ぐことになります。
これには会計帳簿上に”故意か否かを問わず” 記載されていない債務(借入や未払い他)=簿外債務を含みます。
簿外債務として代表的なのは「未計上の買掛金(仕入代金など)」「スタッフへの未払い残業代」「過去のトラブルに付随した損害賠償請求」などで、これらは相手方から請求を受けて初めて認識することが多く、事業の買収前では気づかないケースが大半となります。

株式譲渡スキームの場合、買い手としては当然に「過去のトラブル」や「簿外債務」、総じて「リスク」を引き継ぎたくないというのはお分かりになると思います。
そのため、買い手はその会社にどれほどのリスクがあるかを様々な方法(協議序盤はインタビュー、基本合意後は各種デュー・デリジェンス)で確認し、そのリスクの程度を想定します。
この調査に必要な時間とコストは小規模法人の事業承継に対して過度となる場合もあり、場合によっては譲渡対価以上にコストが必要になる場合もあります。その影響として、買い手としては「美容サロン事業そのもの」に対しては買収意思があるものの、これらのリスクやコストが足枷となって買収を断念する、もしくは提示額が大きく減少するケースが生まれます。

よって、売り手が「美容サロン事業が赤字状態であり毎月資金が削られてしまうのを一刻も早く止めたい」という場合や、「サロンの譲渡対価を借入の返済に充当したい」という場合は、譲渡までの期間を比較的短期に収めやすい事業譲渡スキームを選択することが結果として「売却のしやすさ」というメリットにつながります。

 

さいごに

サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。

M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。

私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。

M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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