- 2023.04.30
TOP(オーナー)面談の進め方に関する解説
- 売りたい方
- 買いたい方
M&AにおけるTOP(オーナー)面談の目的は基本合意書の締結に至る前の諸条件確認をはじめ、様々な目的を持って行われます。
M&Aの仲介サービスやFAと呼ばれる「売り手代理人」「買い手代理人」を立てている場合においては、基本的にアドバイザーが協議を進行するとともに事前に「どのような協議を行うべきか」や「TOP(オーナー)面談でのある種の作法」に関するアドバイスやシナリオを用意してくれることが大半です。
しかしながら仲介人やFAを立てずにM&A協議を行う場合はそのようなサポートを受けることはできないため、双方で調整の上で進める必要があります。
この記事では、TOP(オーナー)面談に関する基本的な進め方をわかりやすく解説いたします。
なお、この記事は事業譲渡スキームを前提とした概要説明に留めております点をご留意ください。
TOP(オーナー)面談の目的とポイント
TOP(オーナー)面談とは、その名称の通り、基本的には売り手における事業TOPとなる責任者や事業を営む企業の代表者・オーナーと、買い手となる企業の代表者・オーナーが面談する場となります。
但し、買い手が大規模な法人などの場合は事業の買収に関して大きな影響力や決裁権限を持つ役職者が、代表者・オーナーに代わって行う場合もあります。
TOP(オーナー)面談というステップは基本合意書の締結に至る前なので、単にご挨拶を行う場というものではなく、買い手と売り手の企業の紹介(創業経緯や現在の運営状況など)に始まり、当該交渉に際して相手方の企業を交渉相手とした理由(興味を持ったポイント)や事業の売却や買収を決断するに至る経緯などに関しても実直に語り合う場になります。
このステップに至ったこと=基本合意書の締結ということではありません。売り手は興味を持っていただいた買い手の中から、最終的には1社を選び「基本合意書」を締結して「独占交渉権」を付与し、本格的な協議や調査(デュー・デリジェンス)の協力を開始します。
端的に表現すると、買い手は売り手から信頼できる交渉相手であると認めていただく必要があり、その要素として「TOP(オーナー)面談に参加した買い手の方々の評価」は大きく影響します。
よって表情・口調や言葉選びをはじめ、礼儀礼節や身だしなみ、熱意や表現力など、売り手に好印象を与えるために大切なコミュニケーションをしっかりと考えて挑みましょう。
尚、仲介人やFAを立てた場合のTOP(オーナー)面談では特に「譲渡価額に関する交渉」はマナーの観点から御法度とするケースが多く、仲介人やFAを通じて交渉を行うのが一般的です。しかし、直接交渉の場合は仲介人やFAがいないためTOP(オーナー)面談時に一定の交渉が行われることも多分にあります。
但し、上述の通り礼儀礼節の観点からも、相手の立場や状況を度外視した高圧的・強気の交渉は心象を悪くしてしまうため、相手のことを質問の中から理解するように心がけながら言葉選びや論拠を明確にして交渉するようにしましょう。
TOP(オーナー)面談をスムーズに進行するために
一般的に質問の大半は買い手からとなることが多く、様々な質問を面談当日に口頭で質問すると「調べないとお答えできないので後日ご返答します」という回答になってしまうことが多々あります。この場合、双方ともに忙しいスケジュールを割いて実施する面談で得られる情報が大きく毀損してしまう恐れがあります。
よってTOP(オーナー)面談当日に買い手が質問する内容に関しては”事前に”リスト化し、”事前に”売り手へと共有するようにしましょう。そうすることで、売り手がリストに沿って事前に回答を用意する時間的余裕ができるため実りの多い面談となります。
TOP(オーナー)面談の参加者に関する人選に決まりがあるわけではありません。事前に質問内容がわかることでTOP(オーナー)面談の参加者に、その回答に対して明確な説明ができる人員(例えば経理責任者や運営責任者)を同席させるという判断を売り手がする場合もあり、結果的にはより詳しく事業の実態を知ることもできる場合がありますので、上記の事前準備は確実に行うようにしましょう。
いざ面談を開始すると、売り手から話すべきか買い手から話すべきか、どの順番でどの件に関して協議するかなど、その場の流れで決めようと考えていたことがスムーズに決まらなかったり、抜け漏れてしまうことも起きます。よってオーナー面談をよりスムーズに進行するにはアジェンダ(式次第)を用意することも有効です。
また、基本的には言葉で取り交わす事柄が多いことから「ニュアンス」の違いによって、後日いずれかのタイミングで「言った・言っていない・聞いた・聞いていない」という水掛け論になってしまう場合があります。
よって、協議の中で重要なポイントとなる会話に関しては議事録を作成し、協議後において相互の認識を一致させるために相互チェックを行うこともお勧めします。
M&Aの成功(事業承継後の成長)に向けた基本的な考え方
M&Aは単純に「モノ」を売買する行為ではありません。
モノの売り買いだけであれば所有権が移った時点で、売り手と買い手の関係性が途切れても特に大きな問題になることもありません。
しかしM&Aとは事業の承継であり、買い手は買収した事業をより良いものにして収益を上げていきたいのは当然として、売り手としても事業は売却するとしても自らが生み出した事業の一層の成長を望みますし、事業と併せて移管するスタッフ達の今後を買い手に託すという想いもそこにはあるものです。
譲渡直後に組織(特に人のコミュニケーション)が壊れてしまいスタッフの退職や業績のマイナス影響が発生することを防ぐため、一定期間は売り手オーナーを顧問として迎える事例は多くあります。
よって基本的にM&Aの成功には「売り手と買い手の二人三脚」が必要不可欠であるため「譲渡後にどのような協業・役回りを行うか」などについては、TOP(オーナー)面談からできる限り協議を始め、それ以降の以降の協議過程においても良いコミュニケーション・信頼関係を築き上げることを相互に意識していただければ幸いです。
さいごに
サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。
「M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。
私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。
M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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