2022.01.25

美容サロン事業M&Aの一般的な流れは?(後編)

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解説記事

この記事では、「美容サロン事業M&Aの一般的な流れは?(中編)」に続く後編として解説いたします。

なお、この記事は美容サロンM&Aの大半を占める小規模事業者間における事業譲渡を前提とした概要説明に留めており、詳細に関しては割愛しております点をご留意ください。

 

デューデリジェンスは答え合わせ

デューデリジェンス(以下、DDと併記。)とは、基本合意書を締結した後に、譲渡対象の会社や事業について、専門家による詳細な調査を行うことを指し、美容サロン事業のM&Aにおいては「ビジネスDD・財務DD・法務DD・人事DD」が行われることが一般的です。

このデューデリジェンスの目的はわかりやすく表現すると「最終的な事業の査定」であり、基本合意書の取引条件の中で「買い手に対してデューデリジェンスへの協力義務(法的拘束力あり)」が定められることが一般的です。

例えば、ヘアサロンなのに美容所登録がされていない違法性があれば購入できません。

従業員に対する残業代の未払いがあれば承継後に未払い請求が起こるかも知れません。

屋号の商標登録がされておらず、他者の指摘で看板を変える必要があるかも知れません。

基本合意書の締結前に売り手から開示されていた売上・利益情報に誤りがあり、黒字だと聞いていた事業が、実は赤字だったという可能性も否定できません。

上記の例は美容サロン事業に限らず、様々なM&Aで発生する場合が残念ながらあります。

それを未然に防ぐため、買い手は「独占交渉権」の獲得後に、社内の専門職の方、もしくは社外の専門家(主に士業の方)に報酬を支払ってデューデリジェンスの実施をします。

それによって、売り手から今までに示された全ての情報は正しかったのか?譲渡対象事業の価値は正しかったのか?という「答え合わせ」を行い、基本合意書に定めた条件通りで最終契約に臨めるか否かを判断します。

なお、小規模な美容サロン事業のM&Aの場合、買い手が外部の専門家に委託しない場合や一部のみを委託する場合があります。

その理由として、デューデリジェンスは調査範囲次第で数百万円もの費用が発生します。

そのため、譲渡価額に対してデューデリジェンス費用が上回る場合もあり、経済合理性に欠きます。

この記事の(中編)で「独占交渉期間に売り手が別の候補先と交渉した場合は、損害賠償請求などの訴えを起こされるリスクが極めて高い」と記しました。

その理由の一つが、この「デューデリジェンス費用」やその対応に伴う買い手の数週間から数ヶ月の業務時間を毀損する行為だからです。

 

従業員告知は全てに先回りが肝心

従業員告知とは「事業譲渡の実行可能性があることを従業員に告知する」非常に重要な手続きです。

美容サロン事業における「売上」は、小売業や飲食業のように「商品販売」によって生まれるのではなく、大半が「授業員の技術」を顧客に提供することによって生まれます。

よって、従業員の離脱は「大きな売上減少」に直結します。

そのため、美容サロン事業のM&Aにおいて最も計画的かつ繊細な対応が求められます。

一般的に、デューデリジェンスの中で「ビジネスDD・人事DD」の際に、買い手や外部専門家は一部従業員との面談を求め、その対象者は「キーマン」と表現される「承継対象者のうち事業継続に重要な人物」になります。

買い手や外部専門家は、そのキーマンに対して「事業運営上での役割や事業の状況、サロンでの勤怠管理状況の確認をはじめ、キーマンの移籍に対する意思確認など」様々なインタビューを行います。

つまり、売り手の経営者は「少なくともキーマンに対してはデューデリジェンスに先回りしてM&Aの実施を検討しているという情報共有をすること」が必要であり、そのキーマンが承継先への移籍を承諾してもらえるように説得することも必要です。

また、留意点として「キーマンから他の従業員に情報漏洩しないようにすること」も重要です。

デューデリジェンスの時点ではまだM&Aは成約しておらず、破談となる可能性もまだ残っていますが、経営者以外からの情報漏洩や噂話により従業員の不安が膨らみ、離職を誘引する恐れがあります。

最終的には全ての従業員に対して告知を行う必要はありますが、その際には「従業員が最も気になること」を先回りして説明するのが大切です。

その「気になること」とは、主に「給料条件の変更有無・有給休暇の取り扱い」です。

当然ですが「新たな所属先はどのような企業(経営者)なのか・移籍するメリットはあるのか」などもポジティブな説明ができるとなお良いです。

これらの従業員告知時の内容は買い手とも事前に移籍条件を調整の上で行うべきですが、「売り手の責任のもとで行う」ことになりますので、事業継続ができないほどに従業員が離職してしまっても買い手に責任を問うことはできません。

全員の理解を得られるように、従業員の不安要素に先回りしたシナリオを元に進めましょう。

なお、これらの離職トラブル防止の策の一例として、売り手の経営者が一定期間アドバイザーとして残ることで新たな経営者との関係性が構築できるまでのフォローをするケースも多く見られます。

 

最終契約書は法的拘束力あり

デューデリジェンスが完了したら、交渉は大詰めです。

買い手より最終的な条件提示を行い、売り手がそれらの条件を受け入れられるか否かの判断を行います。(無論、希望に満たない場合に譲歩案を提示することも可能です。)

そして具体的な決定事項を明記した「最終契約書」を作成の上でM&Aを成約します。

なお、最終契約には「表明補償」「誓約事項」ほか、事業の譲渡後にも売り手に影響する条項が含まれることが一般的です。

最終契約には法的拘束力があります。つまり、契約内容の履行が義務となります。

分からないことは買い手に説明を求めることは当然として、一定の費用がかかるとしても法律の専門家やM&Aアドバイザーに相談の上で、大きく不利な条項や必要以上のリスクが生じる条項が含まれないように最大限の注意を払いましょう。

 

さいごに

サロンM&Aネットは、美容サロン事業を営む皆様の事業承継に関するお悩みを全力でサポートいたします。

M&Aは初めてだから不安だ」という気持ちは当たり前のことです。

私達は美容サロン事業に特化したM&A仲介事業者として、15年以上に渡る豊富なサポート経験がございます。

M&Aに限らず、出店や閉店に関するお悩みやお困りごとがございましたら、無料相談を受け付けておりますので、お電話やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

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